高架線上の幻の廃駅。

道灌山通駅

 道灌山通駅は、かつて東京都荒川区日暮里町にあった駅です。日暮里から新三河島駅間のカーブの途中の道灌山通り西日暮里五丁目交差点の辺りにあったといわれています。1934(昭和9)4月18日に開業したものの、1943(昭和18)年10月1日に日暮里駅から徒歩圏内という理由で不要不急駅とされ休止になり、また戦時中に駅舎は消失、1947(昭和22)年2月末で正式に廃止されました。…そしてこれしか情報がない「幻の駅」です。

探索

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 上野公園トンネル坑口を後にし、谷中墓地の中を抜けていきます。(墓参でもないのに一人でお墓を通るのは若干申し訳なさがありますが…)
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御隠殿坂を完全に無視して墓地を突っ切り、日暮里駅南にかかる跨線橋へ。
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 北口は有名で、私も幼少期に通い詰めた記憶がありますが、こっちは比較的マイナーでしょうか。(新幹線見えないし…)
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 ただしこちら側は京成線がかつての悲願である「山手線の内側」へと入るという象徴的な光景を眺めることが出来ます。そして写真右手の斜面には戦時疎開中に国鉄線から京成上野トンネルへの引授線があったはずです。
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 高架化以前のかつての日暮里駅からの下り線用地がそのまま残っています。隣を上り線が使っているからでしょう。
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 線路を潜ります。ここから日暮里駅までの間は風俗街を抜けていきます。
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日暮里駅に到着。
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舎人ライナーの路盤を見上げながら尾久橋通りを進みます。
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京成の高架線に着きました。
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左の鉄橋付近が駅跡なので、そちらへ向かいます。
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雰囲気は少しそれらしいかもしれません。
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 高架橋の真下で痕跡を探します。残念なことに、ここ数年で壁装され直されたため、とっても綺麗になってしまっています。
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 駅舎、というより階段?は青砥方にあったとのことなので、そちら側を重点的に探してみます。
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一応上野方も見てみましたが、特段気になる点はありません。
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この上が道灌山通駅のホームであったはずです…
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 横の道を抜けて、一つ青砥寄りの橋へも行ってみます。この二つの橋の間に駅があったと推測されます。
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何かを埋めた跡のようにも見えなくは無い壁面…
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 横の一番怪しげな通路は、京成の社有地だそうです。立 入 禁 止とは書かれていないので、入ってみます。
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 先ほどの何かを埋めてそうな壁の裏側には不自然なスペースがありました。駅舎関連(改札とか?)の場所かなとも推測できますが、ここでは道灌山通では無いので怪しい、何とも言えないところです。
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 上を向いても、ホームの決定的痕跡は見出せませんでした。簡易停留所のような造りだったという情報もあるので、完全に撤去されてしまっているようです。
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 京成も随分手を焼いているようで、随所に看板が貼られていました。が、この通路はもはや近隣住宅の私有路地のような扱いをされてしまっています。
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ちなみにその中には作業小屋が設置されていました。
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 痕跡を見出せないのにダラダラと滞在するのも無意味で文章のネタも切れてしまいそうなので、高架下沿いの「藍染川西通り」を通って帰路につきます。
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 途中、JRの幹線とは思えないような雰囲気の常磐線の踏切を渡るとすぐに日暮里駅の隣駅の新三河島駅に到着。探索は終了です。

探索終了。


写真:特筆事項が無いものは全て筆者/同行者による撮影
執筆:三島 慶幸