4ヵ月ほど前に公開した「京葉臨海鉄道 埠頭線」の探索記事。今回は机上調査にて重要な情報を提供頂いたので、それを基に再訪してきました。

「埠頭線」に関する資料を発見!

 前回の探索を終え、机上調査が行き詰まっていた最中に、縁あって「京葉臨海鉄道路線略図」というものを読ませて頂くことが出来ました。
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こちらがその貴重な資料です。

内房線が「房総西線」である事、京成千葉線の駅名が「黒砂」「千葉海岸」であること、国鉄千葉駅前駅(今の京成千葉駅)が未開業な事から察するに、1963(昭和38)年から1967(昭和42)年4月の間に作成された資料と思われます。(実は結構地図が適当で、下の画像を見ればわかると思いますが、新千葉駅が書かれておらず、代わりに謎の「登戸駅」が爆誕し、駅が1駅分ずれているなどの誤植があり、そこには少し悩まされました…)

そしてこの略図には、計画中の路線の予定線が記入されており…
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 探索した千葉港の埠頭に、線路のラインが描かれていました。提出した図面の内容に関わりがあまりない予定線ということでかなりざっくりと記入されているに過ぎませんが、この資料の発見により未成線としての存在の真偽がはっきりしていなかった埠頭線が存在していていたことが確定したのです。

 そして、地図を見ればおおむね前回探索したルート通りで描かれているのが分かると思います。しかし、前回京葉線に合流したのかとばかり思い込んで書いていた場所が、京葉線に合流せずそのまま千葉貨物ターミナルまで繋がるように描かれているなど、探索時の想定(もとい妄想)と異なる場所が幾つかありました。よって今回はこの貴重な情報を基に、一部を修正しながらの再訪問を行います。

今回の資料について、JB600C様(twitter→@Hd1Xh)より、画像の提供を含め、再訪と埠頭線の特定に欠かせない沢山の貴重な情報を頂きました。改めてこの場を借りてお礼申し上げます。

「青写真」をイメージしつつ再訪

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さて、早速千葉みなと駅前から埠頭方面へ進みます。こうして振り返ってみると確かに、そこはかとなく路盤の雰囲気がします。
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前回訪問時には京葉線の高架線について「上下線の空間が気になりました。」と書いていましたが、これは建設時期のずれなどの関係で、埠頭線とは全く関係ありません。地図通りに埠頭線が仮に着工されているならば、京葉線に平行する形で千葉貨物ターミナルまで延びていたはずです。
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!!
前回見落としていましたが、ここの電線の名称は「鉄道分」線でした。埠頭周辺の「鉄道支」線とは異なりますし、この「鉄道」が京葉線を指している可能性もありますが、埠頭線と関わりのある名称である可能性もあります。
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枕木が転用されている駐車場。このあたりが埠頭線の用地であったと思われますが果たしてどうでしょうか…?
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幅など、道形的には路盤跡と言われても違和感の無いような「仕上がり」ですが、個人的な感想としては、ここの路盤が着工されていた可能性は高いようには思えません。
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航空写真でも一番目立つカーブ跡まで高架下を進みます。
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路盤があったならばこの位置でしょう。駐車場の幅が高架線よりも若干の広がりを見せています。
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カーブ跡に到着。この写真は想定される線路上から埠頭方面を眺めている位置です。
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路盤跡が綺麗に分かります。少なくともここから先は用地取得の上で、何らかの形で着工されていたと考えられます。
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その証拠に成り得ると言っても良い1枚。路盤跡に沿うようにある緑色のフェンスは恐らく比較的最近に設置されたものでしょうが、気になるのはそのフェンスと隣り合わせで同じく路盤跡に沿うように設置されている有刺鉄線の柵。根拠は無く、あくまで推測ですが、有刺鉄線の方はここが路盤として整備されていた時の物かもしれません。
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綺麗なカーブ跡を公道から眺めます。
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曲がり切った先。前回訪問時に恐らく路盤は道の対岸だろうと調べているので、そちら側を歩きます。
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港湾局まで道なりに進みます。
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港湾局の先で路盤跡はS字カーブ状の区間に差し掛かります。こちらは最初に騙されたフェンスの窪み。正しいコースは写真奥から左の白い小屋を抜けています。
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2つめのカーブ跡。
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前回、「ここは植え込みのあるあたりが凄い怪しい…と感じる程度のもの」と書いていた場所ですが、どうやらこの港湾局のS字カーブ区間は、千葉縣所有の鐡道用地として示されていた事例があるそうで、私の本能的な予感は正しかったようです。(少し嬉しい?)
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そうすると、ここは路盤跡を確実に歩ける貴重な場所ということになります。
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近くにふ頭の案内図があったので、探索済みの区間(赤色)と、十分想定される路盤跡(水色)を書き込んでみました。水色のラインについては100%想像で記入してみましたが、もし埠頭線が完成していればこんな感じかな…?という雰囲気で作成してみました。
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ここから先は「鉄道支」の電柱を頼りに埠頭の先まで進めば良いのですが、これでは前回の探索と内容が丸かぶりするだけなので今回はここで切り上げ、千葉貨物ターミナル駅の跡地方面へ向かうことにします。
(先ほどの地図の水色で描いた部分の探索もすべきではあるのでしょうが、立ち入る事の出来ない箇所が大半であるため行いませんでした。)
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いやぁ、たまらん!

千葉貨物ターミナル駅跡へ

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さて、千葉みなと駅に戻ってきました。ここからは稲毛海岸方へ歩き、千葉貨物ターミナル駅跡までの痕跡を探すことにします。
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駅前の駐輪場。ちょうど線路分の幅状になっています。
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道路を渡った先からは駐車場が続いています。
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渡った先の様子。
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埠頭線の着工状況は不明でしたが、この駐車場から千葉貨物ターミナル駅跡までは確実に線路が存在し、これは航空写真ではっきりと確認できます。千葉貨物ターミナル駅の一部として、京葉線の高架に沿って引上げ線(機回し線)のような側線が存在しました。そしてここにはその痕跡がはっきり残っています。
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それがこちら。4灯式の信号機です。中継信号機のようにタテが進行現示、ヨコが停止現示、ナナメで制限…のような使われ方をしていたのであろうと思われます。(鉄道信号のルールや種類については無知ですので誤っているかもしれません、ぜひご指摘ください。)現在は3機が残存しており、線路であった事を証言してくれています。
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並ぶ信号機に思いを馳せながら千葉みなと駅、そしてその先の埠頭方面を眺めます。実際ここは貨物ターミナルのうちの1本の引き上げ線に過ぎなかったかもしれませんが、本当に単なる引き上げ線目的で建設された区間なのでしょうか…。どうしても私には埠頭線の建設や開業を目論んでこの位置に引き上げ線を置いたような気がしてなりません。
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ここを見守って来た信号機達に教えを乞うてみましたが、通電はもうされておらず、答えて貰うことは出来ませんでした。(違)
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駐車場が途絶えた先から本格的に千葉貨物ターミナルのヤードが広がり始めます。

この後、ここの跡地や付属する廃線跡である食品北線・食品南線、さらには埠頭線とは別のさらなる未成線の探索も行いましたが、埠頭線の再訪内容からは外れてしまうので、これらは後日紹介していこうと思います。

京葉臨海鉄道 幻の「埠頭線」調査
完結。

本記事(連載の場合全編)での参考文献など(敬称略):
・Googleマイマップ「千葉県の廃線・未成線」
本記事中(連載の場合全編)で使用した地図・航空写真:
・国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス(加工は筆者によるもの)
写真:特筆事項が無いものは本記事中(連載の場合全編)全て筆者/同行者による撮影
執筆:三島 慶幸