駅数の割に合わないような複雑怪奇な歴史を辿る東武鬼怒川線。まずは分かる所から探索していきます。


下滝駅         1919/3/17~1922/3/19改称・移転
大滝駅         1922/3/19~1927/2/19改称
鬼怒川温泉駅(初代)             1927/2/19~1964/10/8移転
鬼怒川温泉駅(2代)      1964/10/8~現在


 関東でも屈指の知名度を誇る温泉地、鬼怒川温泉の中心駅である鬼怒川温泉駅。今の位置は3代目にあたる場所で(「鬼怒川温泉」を名乗っているのは2代目)、初代駅は「下滝」という駅名でした。この記事では2代目の駅(大滝→初代:鬼怒川温泉駅)を探索しますが、開業当初の駅はさらに別の位置にありました。この下滝駅跡の探索も検討したのですが、直接のキロ数の記録が手元に無いため、様々な記録から計算で導こうと思ったのですが…

1917/1/2   下野軌道が大谷向今市~中岩開通 (6.0km)(5.8km)(4.9km)※諸説あり
1917/11/1 中岩 - 大原(現・鬼怒立岩)開通 (4.1km)(5.0km)※諸説あり
1919/3/17 大原 - 下滝開通 (1.3km)

諸説あり過ぎ!

 複雑怪奇な鬼怒川線の歴史。これらに関してはどうしようもないので、今後地元の藤原町史を調べたり、東武鉄道に取材したりして、きちんと明らかにしていこうと思います。

鬼怒川線を北上

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前回の鬼怒立岩駅を後に北上していきます。
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現在の鬼怒川温泉駅に到着。駅前広場にSLの転車台を整備しているのには驚きました。
完成後にここでSLが回るのを考えると少しワクワクします。
探索日はちょうど子供の日前後。駅周辺には沢山の鯉のぼりが舞っていました。
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鬼怒川温泉駅を過ぎ、線路沿いに鬼怒川公園方面へ向かっていきます。
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しばらくすると大きなパイプラインが見えます。
これは東京電力鬼怒川発電所の水路で、元の名は「鬼怒川水力電気下滝発電所」…
つまりこれが鬼怒川線の当初の建設目的である「発電所建設資材輸送」の「発電所」です。
記事の冒頭に「下滝駅の位置が分からない」と述べていたと思いますが、上記の歴史から考えてこの周辺にあったと考えるのが自然でしょう。
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少し進むと旧・藤原町役所があります。日光市に合併された今でも「藤原総合支所」と名を替えて役所の役割を果たしています。
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そして今回の大滝駅の所在地はこの藤原総合支所のすぐ近く。
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支所からほんの少しだけ北にあるここが旧駅跡です。
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振り返って鬼怒川温泉方を眺めた様子。
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車の往来を確認して道を渡り、出来るだけ近づいてみます。
(地味にこの緑に塗られた柵が枕木で出来ているのですがこれは旧駅に関係があるのでしょうか…)
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確かに構造物があったような痕跡はあるのですが、駅やホームがあったとは想像しにくいような…なんとも微妙な痕跡(?)です。
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切り立つ崖状になっている路盤。ここにあった駅施設をごっそり撤去したため、こんな不思議な残り方になったのではと想像しています。ちなみに数年前まではここに公衆便所が設置されていました。
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ひょっとしたら当時の物かもしれない階段。
横にある「温泉中央口」という名前のバス停が、かつての鬼怒川温泉の玄関口であったことを語っているかのようです。
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そして鬼怒川温泉の中心地は…なんと廃墟ばっかり!
「温泉中央口」の正面の建物からしてすでに廃墟…

 箱根、草津、伊香保などに並ぶ関東最大の温泉地としての栄華が過去になりつつある鬼怒川温泉の廃墟群に少しだけ寄り道してから、さらに先へ向かおうと思います。