東武鬼怒川線の歴史は、1913(大正2)年1月に運転を開始した鬼怒川水力電気下滝発電所建設のための資材運搬軌道が前身で、後に下野軌道、下野電気鉄道となり、東武鉄道に合併されたのち現在は東武鬼怒川線になっています。そんな当線には各時代の様々な廃駅・旧駅・廃線が存在します。今回は、そんな鬼怒川線関連旧跡を探索してみました。

 今回の記事は数編に渡りそうなので事前に鬼怒川線について紹介したいのですが、ここであまりにもごちゃごちゃな歴史をすべて書くと記事が埋まってしまうためとりあえず旧駅・廃駅・旧名称一覧だけをリストアップしました。

下今市駅        1929/10/22~(接続)
・大谷向今市駅      1917/1/2~1919/12/28改称(→大谷向駅)
大谷向駅        1919/12/28~1927/11/?廃止・1931/3/1再開
大桑駅         1917/1/2~
・中岩駅         1917/1/2~1922/?廃止
・高徳駅         1917/11/1~1929/10/22改称(→新高徳駅)
新高徳駅        1929/10/22~
・鬼怒大瀞駅       1930/7/6~1944/10/25休止・1954/11/16廃止
・小佐越前駅       1924/11/11~1930/7/6改称(→小佐越駅)
小佐越駅        1930/7/6~
東武ワールドスクウェア駅(2017/7/22~)
・大原駅         1917/11/1~1922/3/19改称(→下原駅)
・下原駅         1922/3/19~1933/1/1改称(→鬼怒立岩駅)
・鬼怒立岩駅       1933/1/1~1964/10/8旅客(→鬼怒立岩信号場)
鬼怒立岩(信号場)     1964/10/8~
・下滝駅         1919/3/17~1922/3/19改称移転(→大滝駅)
・大滝駅         1922/3/19~1927/2/19改称(→初代:鬼怒川温泉駅)
鬼怒川温泉駅(二代)    1964/10/8~
・鬼怒川温泉駅(初代)    1927/2/19~1964/10/8移転(→鬼怒川温泉駅)
鬼怒川公園駅      1939/?~1944/10/25休止・1950/9/1再開
             ・1961/12/1再休止・1962/12/10再開
・藤原駅         1919/12/28~1922/3/19改称移転(→新藤原駅)
新藤原駅        1922/3/19~
(↓大谷向~新今市の廃止区間)
・新今市駅        1919/10/1~1929/10/22廃止
・小倉町駅        1929/7/7~1929/10/22廃止
☆…現役

とんでもない量ですねぇ…

探索開始

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 事前調査でその情報量に圧倒されながらも、東武鉄道の快速で浅草から揺られること二時間…
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手始めに今のところは東武ワールドスクウェアの最寄り駅である小佐越で下車。
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駅前の国道121号を北へ向かいます。
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しばらく進むと、今年7月に開業予定の「東武ワールドスクエア駅」の建設予定地へ到着します。
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探索当時ではまだホームの類は建設されていませんでした。
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 付近の踏切からホーム予定地を眺めます。予定地の北端が綺麗なS字カーブになっており、駅の構造によってはこれから鬼怒川線を走るSLなどを撮影するにあたっての「駅撮り」名所になりそうな気がしました。(写真については全く分かりませんが…)
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 名前の通り駅のすぐ前に東武ワールドスクウェアの正門があり、同施設のアクセスは格段に向上しそうです。
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…廃駅でも旧駅でもなく「開業予定駅」の探索レポになってしまうので、ワールドスクウェア駅についてはさっさと終えて先へ歩いていきます。
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単線だった鬼怒川線が急に複線になる場所へと着きました。
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全体を眺めると、線路の両側にスペースがあります。
これが本題の「鬼怒立岩駅」跡です。
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廃駅になったわけではなく、現在も信号場としての役割を持っているため「駅区域標」が健在。
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 これに至っては「昭和38年1月」の表記。駅の旅客営業が終了したのが昭和39年10月なのでこの標柱は駅の現役時代からあるということになります。
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ホーム分の幅を残して設置されている境界柱。
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 かつての駅前には若干の広場が伺えましたが、草木が生い茂っているばかりでかつての駅前という様相はほとんど残っていませんでした。

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 付近の踏切(言ってみれば「鬼怒立岩駅前踏切」)から構内を眺めます。架線柱はおそらく廃止後に設置されたもので関係ありませんが、両端の用地の不思議な広がりでホームがあったイメージが付きます。
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踏切を渡り、やってきた方向とは反対側のホームへ向かってみます。
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こちら側は芝生の広がり方を見ることでより完全にホーム跡が浮かび上がっていました。
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下り?ホーム側の南端から東を眺めます。ここから鬼怒川温泉駅までは複線区間が続きます。
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 「信号場」という名前ではあるもののここで毎回列車が交換しているというわけではなく、大半の列車はポイント通過のレベルだけ速度を落として去っていきます。特急街道なだけあって本数は多めです。
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次の旧駅を目指しさらに鬼怒川線沿いを北上します。

次の駅へ続く