これまで千頭周辺の吊り橋を2つほど回りましたが、同じ静岡県内に「日本一長い吊り橋」があるとのことで、「寄り道訪問」してみました。

日本最長の吊り橋?

 一般的に「吊り橋」と言うと、谷や川に縄ばしごやワイヤーを渡し、板を張っている簡易的な橋を想像すると思いますが、実際は海峡などに架けられている大規模な橋や、斜張橋などの張力で支えている橋梁全般も広義に「吊り橋」と呼びます。現代的な吊り橋は、鋼製のケーブルやハンガーロープなどといったように、鋼や鉄筋コンクリートで造られています。 こういった吊り橋は長大な海峡橋などに向いた特性があるため、世界の中でも有数な長さを誇る橋の中には吊り橋が数多く採用されています。
ちなみにセンタースパンで見た世界最長の吊り橋となると、日本の明石海峡大橋(1,991 m)になります。

三島スカイウォーク

 箱根西麓・三島大吊橋(以降、愛称の「三島スカイウォーク」)は、地元静岡県でパチンコ店をなどを経営するフジコーが、「観光収益と地域貢献」を銘打ち作った橋です。前後の交通路としての用途はほぼ皆無であり、観光用展望台のような役割を持っています。そのため通行には入場料を取るほか、夜間は通行不可、悪天候の場合などは営業を中止することがあります。橋は総工費約40億円をかけ2012年に着工、2015年12月に営業を開始しました。この橋は「日本で最も長い吊り橋」を銘打っていますが、これは「日本で最も長い歩行者専用の吊り橋」であり、大分県九重町にある九重"夢"大吊橋の長さ390mを抜いて、1位となっています。開業からの約1年間で渡橋者は120万人を越え、三島の新たな観光スポットになっています。
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やってきたのは静岡県三島市笹原新田313。ここが当橋の所在地です。

箱根西麓・三島大吊橋(三島スカイウォーク)
施工年:2015(平成27)年
施工者:川田工業
桁の属性:人道橋
桁の形式:吊り橋
長さ400m、高さ70m(桁下高)
所属・管轄:フジコー
使用終了年:現役
経年:2年
特筆事項:観光用
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入り口には橋の紹介があります。
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周囲を一通りぶらついたところで入場。値段は観光地らしく?1000円もしました。…パチンコ屋だからでしょうか?
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入場し、いよいよ渡橋します。
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最近よく取り上げられる有名観光地だそうで、常に人が多い状態ですが、橋はとても頑丈で、人道用吊り橋と主張する割には揺れませんでした。
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橋の幅は1.6mだそうで、車イスなどのバリアフリーにも対応しているそうです。これまでの木製吊り橋では考えられません。
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あいにくの曇りでしたが、橋上からは富士山のシルエットが綺麗に見えました。確かに眺めは良さそうです。
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下を眺めます。かなり高い位置に架けられている橋ですが、橋があまりにしっかりと出来ているために高さのスリルは感じません。
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山々の景色は非常に美しいです。
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そうこうしているうちに橋の真ん中まで来ました。
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正直眺めと風以外に楽しい要素があまり見出だせず、ここからはスタスタ歩いてしまいました。
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あっという間に対岸に到着。
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渡ってきた橋の全貌。
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橋のアンカーです。長いだけありアンカーの大きさもかなりのものとなっています。
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ちなみにアンカーからみた本橋の様子。かなり離れた位置までワイヤーが伸びています。
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橋の様子。こうしてみれば高さが分かるかも?
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この橋はあくまで観光用。渡橋したからといって先に道があるわけではないので再び渡って戻ります。
個人的に橋というものは交通路であり、道として機能すべきであると考えてしまうため、これには少し不満でした。
(ワルいオタクの典型的な思想ですね…)
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もとの場所に帰り、探索もとい訪問は終了です。
今回の三島スカイウォーク、吊り橋を含めた施設の清潔さや観光地らしい整備によって客入りは良く、地方活性としての観光地の新規開拓としては素晴らしい場所だと思いました。しかしあまりに橋が頑丈な上に、人も多すぎるため、秘境の吊り橋好きの自己満足感としては少し物足りないなと感じました。それでも手軽に眺望の良い吊り橋を訪問できる場所であることに間違いはないので、ご家族などと普通のレジャー観光として行く分には十分楽しめるでしょう。

探索終了。


写真:特筆事項が無いものは本記事中(連載の場合全編)全て筆者/同行者による撮影
執筆:三島 慶幸