幽霊専用の廃橋があるとのことなので、幽霊になってきました。(?)
幽霊が渡る橋?
日本各地に点在し(ている事になっていて)、人間の噂好きと怖いもの見たさの好奇の目が集まる「心霊スポット」。トンネルや橋関連のものも多数あり、千葉市内にはこのようにいわれている場所がありました。
#今日の心霊スポット【No.0876:幽霊専用の橋】千葉県千葉市稲毛区宮野木町にある廃橋。京葉道路と東関東自動車道を繋ぐ宮野木JCTのほど近くに残されている。誰も渡る事が出来ない事から「幽霊のみが利用している」という噂がある。 pic.twitter.com/47THyTsvxl
噂をいろいろと掘り下げて行くと…




幽霊が渡れて人間が渡れない橋は無い!
探索開始
まずは橋の位置を確認していきます。宮野木JCTの一体どこにそんな橋があるのかと見てみると…








橋の北側にはたどり着けましたが、予感していた通り、前後の道が完全に存在せず橋上の路盤まではかなりの高さがありました。なんらかの理由で橋だけが造られ、取り付ける道は未成のままなのでしょうか。(ちなみに写真を失念しましたが、銘板の取り付け予定もしくは取り付け跡が残っていました。)
冷たいコンクリートの壁には登る手だては無いのですが、ワイヤーや留め金でガードレールが束ねられ、梯子のように垂れています。これでどうにかしてよじ登れそうなので…
幽霊が渡れて人間が渡れない橋は無い!(二度目)




白昼の元に晒された幽霊になっているのでは…!
こうして幽霊になった私(まだなってません)は、出口も入口もない橋の上をさ迷います。橋から北東を眺めると、歩いた場所を俯瞰できます。


航空写真でも結末が見えている南側に行ってみます。









JCT内に残っている手付かずの廃橋としては相当に興奮できましたが、ハイリスクローリターンな探索でした。(再訪するつもりはありませんし、新たに行くことはお奨めしません。)
考察
結局のところ、この橋はなんだったのか…。その答えを探るべく航空写真を調べていきます。

よってこの橋は未成橋では無く、廃橋でした。

ではなぜこうなったのか、それは写真から1年前の1982(昭和57)年、名称を東関東自動車道に改めていた新空港自動車道が、宮野木JCTから首都高速湾岸線接続部(高谷)まで新たに開通させたからだったのです。これにより宮野木JCTは4方向に交錯するようになったため、新たにJCTが拡張され、橋の前後の道や家屋を含めた辺り一帯がごっそりと掘削されてしまったのです。

Google ストリートビューで高速道路から橋を眺めます。気にならないドライバーは何も気づかず、目についた人間だけがこの橋の違和感に気づき、いつからか「幽霊専用の橋」といわれるようになったのでしょう。
この橋の正体、それは幽霊専用の橋でもなんでもなく、宮野木JCT拡張の際に、高速道路の本線を横切る橋を撤去するのは手間が掛かるので、その橋だけがポツンと取り残されたという哀しき「道の幽霊」でした。
まとめるとこんな感じになるでしょうか。
宮野木JCTの廃陸橋
施工年:1971(昭和46)年もしくはそれ以前
桁の属性:コンクリート橋(道路橋/車道)
橋台:鉄筋コンクリート
長さ約30m、高さ約5~6m?
桁の属性:コンクリート橋(道路橋/車道)
橋台:鉄筋コンクリート
長さ約30m、高さ約5~6m?
所属・管轄:道路公団→東日本高速道路?
使用終了年:1982(昭和57)年もしくはそれ以前
使用終了理由:宮野木JCT・東関道高谷方面の開通による道路の消滅
経年:約50年・実働11年(推定)
特筆事項:京葉道路本線を跨ぐ橋部分だけが現存。現在は「幽霊」が使用中。
特筆事項:京葉道路本線を跨ぐ橋部分だけが現存。現在は「幽霊」が使用中。
探索終了。
コメント
コメント一覧 (1)
仕事柄宮野木jctをちょいちょい使うものです。
人が通ってるのを見たことない橋だなとは思っていましたが廃道だったとは…よくガードレールで形成されたハシゴを昇りましたね!!笑