安房と上総の国境を結ぶ狭隘旧道群。短いながらもその道路風景には道歩きの良さがこれでもかとぎっしり詰まっています。

おせんのその先の旧道探索

 外房の難所、おせんころがしを巡る勝浦市と鴨川市の境、上総と安房の国境に跨る旧道群。現在の国道128号線はおせんころがしトンネル、境川トンネル、内浦トンネル、日蓮トンネルの4本のトンネルを抜け、日蓮上人と鯛の町、安房小湊へと続いています。この現道が整備されたのは昭和40年代にかけてのことで、それ以前は海沿いを中心に狭隘な旧道が国道として設定されていました。
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行川アイランド~安房小湊周辺の旧道はこのような感じです。わざわざ書くまでもありませんがピンク色の実線が現在の国道です。
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 周辺部の探索はこれまで記事「国道128号線旧道群【浜行川・大沢の旧道(全3編)】」、「国道128号線旧道群【おせんころがしの旧旧道】」によって灰色線の大沢旧道とおせんころがし周辺の完全廃道区間は探索を済ませています。(随時参照してください。)今回は残る転用区間を辿り、安房小湊の古刹、誕生寺方面へと向かいます。

探索開始

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行川アイランド駅からおせんころがしトンネルを抜け、おせんころがしへの入口、大沢橋までやって来ました。橋を渡ってもいいのですが、今回は左手の階段を降り、奥に見える旧道の方へ進みます。
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大沢集落の漁港手前から旧道へ上がる急坂を登ります。
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空しか見えねー…
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旧道に到達しました。
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崖に沿って1.5車線の道が続いて行きます。最高に開放的な風景です。
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振り返ると廃道区間の様子がくっきりと見えました。往時は今歩いてる道と近い、もしくはそれ以上に豪快な景色だったことでしょう。
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落石の注意看板がこれでもかと配されていますが、道路上の崖は全てコンクリートで護られています。
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潮風で朽ちかけのガードレール。車が突っ込めば海に真っ逆さです。
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昭和40年代まで国道だったなどとは到底思えないような道形が続きます。
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何処を撮っても絵になる…
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すっごい…
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この道自体が「ころがり」そうで軽い怖さすら覚えます。
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空、崖、太平洋しか見えない景色をひたすら進みます。廃道区間と同じくあの世のような?道です。
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大きなコンクリ製の欄干がありました。国道時代からの遺物のようですが、華奢なガードレールよりもはるかに安心できるように見えます。難所なだけあって特別なものが誂えられたのでしょう。
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小さな入り江にはたまに釣り人の姿も見えました。
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地球が丸く見えそう…
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埋められてしまい全く分からない「境」川を越え、道は安房国の鴨川市に入ります。これといった看板はありませんでした。
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鴨川市に入ってしばらくすると、道が海岸からそれて山の方へと入っていきます。そしてその先には「高さ制限」を示す交通標識が現れました。ということは…
トンネル!!

続く