久しぶりに更新の道路レポートはこれまでから趣向を少し変えた林道の探索になります。今回は一般の立ち入りが許されていない「禁断の林道」を訪問してみました。

千葉県営林道郷台線

 林道郷台線(郷台林道)は、鴨川市の清澄寺入口から房総清澄山系の山奥の尾根伝いををひたすら進み、市境を跨いで君津市の郷台畑までを結ぶ総延長10.906kmの林道です。この林道は長い歴史を持っており、「千葉縣演習林概要」の昭和七年三月末調査によると郷臺林道の起工は明治31年・竣工が明治32年と記されています。また当林道は千葉県の中でも相当な秘境に所在する上に、周囲が東京大学演習林の管理区域内にあり現在では一般の通行が通年禁止されている…といったような状況で、まさに「禁断」の林道と言えるでしょう。今回はそんな郷台林道を訪問してみました。
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降り立ったバス停(←※他ブログへ飛びます。)に掲げられている遊歩道の地図。一般人立ち入り禁止の郷台林道ですが、実は途中までの区間が元清澄山への登山ルートである「関東ふれあいの道」に指定されており、その区間までは通行が許されています。今回はこの探索の為に元清澄山方面へ向かう行程の途中での同林道訪問となっています。
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郷台林道の起点までの道中には東大演習林清澄作業所の入口が構えられていました。郷台林道の管理を受諾し、一般の通行を制限している「張本人」です。
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林道の入口までやって来ました。ここから人里から一切隔絶した遥か10キロの道のりが始まります。
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…とすぐに鉄柵が立ちはだかっていました。「進入禁止」の文字が仰々しく本当に入っていいのか逡巡してしまいますが、上記の通り徒歩での進入は認められているので、柵の横をすり抜けて進みます。
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ゲートの先で入口のゲートを通過すると林道はすぐに県道81号線を陸橋でオーバークロスして山中へと進んでいきます。
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仁ノ沢林道との分岐を通過したあたりから本格的に尾根へ向かっての登坂が始まります。岩を垂直にスパーンと切り取った様がまさに房総の山です。
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美しい切通し。ちなみに左の立て看板には「これより先 東京大学敷地」と記されていました。
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最高の景色…!
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林道の起点から進むこと10分前後で前方が白けてきました。尾根までもう少しです。
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え?!!!!!!!!!!!
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道端に林鉄用の6kgレールが突き刺さっている物が唐突に姿を見せました。見つけた瞬間は超興奮してしまったのですが、帰宅後の調べでどうやらこれは秩父演習林で使用されていた廃レールを資材として転用しているものである可能性が高いようです。が、これまでの発見がそうであったように、この地に未知の林鉄がある可能性も捨てきれません。
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起点から1.4kmが過ぎた地点で左手から道がやって来ます。
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こちらは林道東袋倉線です。鴨川市浜荻から袋倉ダムを通ってここまでを結んでいますが、本当に完抜できるのかなど、その素性は謎のベールに包まれたままの道です。
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東袋沢分岐から明るい尾根筋を進むこと10分強、今度は別の林道が分岐していきます。
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路線名は広場線だそうです。
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広場線分岐を過ぎると、いよいよ尾根上の絶景が展開されます。吹き抜ける風が心地良いです。
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振り返って1枚。下を走るのが分岐して行った林道広場線です。
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広場線の分岐から進むこと数分、見晴台というような感じの広場が現れました。バス停から45分ほど歩いて来て疲れたのでここで少し休憩をとることにします。
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目の前には房総の山々の美しい連なりが広がっています。「山無し県」のイメージが強く、実際標高の高い山は皆無な千葉県ですが、谷の入り組み方や自然地形の壮大さ、環境の多様さは他の地域に引けを取らないものです。
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そして足元にはまたレールが埋まっていました。
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持病の足攣り対策に飲み物をしっかり補給するなどして再出発します。
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10分ほど進むと、林道の横に伸びていく獣道然とした道がありました。ちょうど切通しの区間であったので、林道の旧道かもしれません。(かつてここが軌道であって、その軌道跡かもしれないといったイケナイ妄想が頭の中をよぎります。)
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立派な杉の古木があり、「池ノ沢番所跡」と書かれた標が出て来ました。
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「池ノ沢番所跡」の後ろには先ほど見た旧道と思わしき獣道がありました。車道化以前の旧道跡とみて良さそうです。
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番所跡のすぐ先では崖崩れが起こっていました。
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番所跡からさらに徒歩10分弱、分岐点が現れます。
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分岐先には小倉松森線という表記がありました。小倉松森線は鴨川市和泉地区の保台ダムからの完抜林道です。小倉松森線を含め、これまで分岐した3つの林道は郷台林道の支線的な役割をしているのだと推察されます。
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美しいS字カーブ…
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東京大学の森 記念樹
大森京太殿
ヒノキ 太さ62cm 高さ23m 
平成24年 千葉演習林 
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道の両サイドが石垣でガッチリ固められた場所。脆い地質上尾根が痩せやすく、通称「馬の背」と呼ばれる場所を通っていく房総らしい道の光景です。
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「馬の背」のサイドには陶管のかなり大きな破片が転がっていました。
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小倉松森線分岐から15分、再び旧道跡が出て来ました。
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ここの旧道区間には「池の沢歩道」という名称が付けられていました。
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池ノ沢歩道分岐を抜けると再び美しい尾根上に出ます。ここではガッツリ風化した岩肌がとても印象的でした。
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本当に景色の良い林道だな…と改めて感じます。
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池ノ沢歩道分岐から進むこと10分、今度は「保台古道入口」という看板が立っていました。こちらは遊歩道として整備されているように見えます。
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さらに10分ほど歩くと、目の前に唐突にフェンスと「立入禁止」の文字が。そう、ここから先は元清澄山への登山ルートである「関東ふれあいの道」が郷台林道から分かれてしまうため、起点から徒歩1時間半ほどのこの場所から先の郷台林道は完全に立ち入りが制限されているのです。
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立入禁止の柵を越えることに抵抗があったというわけではありませんが、ここからは前回触れ合う気が無い事を一部紹介した「関東ふれあいの道」を通って別の林道(廃林道!)へと、そして新たな探索へと向かっていきます。ということで、林道自体はまだ続いていますが、探索はここまでになります。


続く
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