古レールと再開を果たした我々は、さらなる本坪井沢の奥地を探索し、谷を極めていきます。

小坪井林用軌道(第一次)[0 1 2 3 4 5 6 7 補足 番外]
小坪井林用軌道(第二次)[0 1 2 3 4 5 番外]
小坪井林用軌道(第三次)[0 1 2 3 4 番外]
小坪井林用軌道(第四次)[0 1 2 3 4 5 補足 番外 ]
小坪井林用軌道(第五次)[0 1 2 3 番外]
小坪井林用軌道(第六次)[0 1 2 番外]
「その2」はこちらのブログの記事です。

古レールのその奥

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最初の探索での最奥地、古レールの落ちている場所までやって来ました。(09:55)
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 去年の訪問時にレールへの目印としていたアルマイト製の弁当箱が手前の広場から無くなっていたため、ひょっとしたらレールまで何らかの現象に巻き込まれて無くなってはいないだろうかと心配もしましたが、1年経った今も同じ場所に健在で、ひとまず安心しました。
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本当に、いつまでも残っていてほしい物です。
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森林鉄道用のレールでも最も軽い6キロレールです。手押しトロッコが主であったという小坪井軌道のある意味での「簡素さ」が窺えます。
せっかくレールの写真を貼ったので、ここで林野庁の「森林鉄道保安規定」等に則った、森林鉄道で使用された軽レールの規格を大まかにおさらいしてみましょう。

 6kgレールは軽レールの中で最小単位のレールで、 戦前の低規格の軌道で用いられていましたが、戦後の労基法改正で5t以上の機関車乗入が不可能となった規格(実質、動力車の出入り禁止)です。その為戦後に6kgレールは順次交換されるか、そのような軌条を有する路線の特性から早々に廃止され、使用されることはほとんどありませんでした。
 9kgレールは、森林鉄道2級線規格のレールとして使用され、日本各地の林鉄及び廃線跡で見かけるレールとしては最もメジャーな規格として知られています。
 10kgレールは、森林鉄道1級線の規格内で最低規格のレールです。1級用と2級用の合いの子のようなレールで、2級線規格の路線でも使用されている例もありますが、基本的には使用するのは避けていたという話もあるレールです。
 15kgレールは森林鉄道1級線用のレールで、森林鉄道系では最も高規格なレールです。
この他軽レールには22㎏サイズが存在しますが、森林鉄道に使用された記録は無いとされています。
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古レールを愛でた後、いよいよ未知の最奥地へと進んでいきます。さっそく炭焼き釜の跡が出て来ました。
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沢の荒れ方で、源頭部がどんどん近付いているのがハッキリと分かります。
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レールのすぐ先にあった炭焼き釜跡からしばらく、痕跡が途絶えてしまったため、そろそろ終点かと思い始めてきましたが…
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足元に気になる木材が1本埋まっていました。綺麗に皮がはがされ、まるで防腐処理でもしているような表面の木材に不自然な窪みが出来ています。
(10:07 怪しい木材発見…?)
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明らかに人為的に穴を開けている跡です。ひょっとしてこの窪みに更に木材を差し込んで桟橋を造っていた可能性が…つまりこれは
小坪井軌道の桟橋用の木材か!?
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木材のすぐ先には桟橋用の孔が穿たれていました。冷静になってから、廃止から最低でも60年以上経っている軌道跡の木材がそれも沢に漬かった状態で残っているとは正直考えられない、と思い直していましたが、孔の存在が認められたことでここまで軌道が延びていたことは確定出来ましたし、木材が軌道由来のものである可能性も残った…ような気がします。
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谷幅がみるみる狭くなり、ビーバーダムの数や規模がどんどん増えていきます。
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そしてそれでも桟橋の穴はその姿を覗かせています。
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谷の中でも一際傾斜の厳しい区間に差し掛かりました。
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地図の等高線の密度が示した急斜面に対して、本坪井の沢は「大崩壊」という答えを突き付けてきました。
ここでは画像の真ん中辺りのスラブ手前までの高巻きを強いられます。
(10:23 大崩壊地点突破)
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崩落点を突破すると、谷の向こうから光が差してきました。いよいよ沢の極まりが近くに来ています。
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そしてこの辺りでも軌道の桟橋孔と考えられる孔を認めました。まさか谷の最奥まで続くのかと思いましたが、これが本坪井沢で我々が発見した最後の桟橋孔となりました。これ以上先は谷自体が急な登り坂となるため、最長でも終点はこの辺りとみて良さそうです。
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いよいよ谷が厳しいぞ…

尾根越えへ…

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理想は、歩いてきた沢を極め、最短で尾根へと登ることです。しかし、もはや前進不可能な傾斜が目の前に現れてしまいました。写真からは伝わりにくいですが、一枚岩の上に湿った落ち葉が薄く積み重なり、とにかく滑りやすい…
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これ以上前進は不可能とあれば、とりあえず横の斜面に取り付くしかありません。尾根にさえ登れば、脱出予定地まで尾根伝いに進めるので、比較的傾斜の緩い斜面を選びながら登ることにします。
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11:00 尾根到達!
比較的緩い斜面を選べど、滑落は即死。四つん這いになり、膝を土に埋めるようにしながら体を固定、さらに木の根や幹を両手で掴み、体重を掛けても外れないものを慎重に慎重に選びながら、文字通り全身を使い必死で尾根へと登り切りました。(私の技量では写真を撮る余裕すらありませんでした。)
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そしてそんな体で辿り着いた尾根に対して、我々の見立ては甘いものでした。尾根上もアップダウンが激しく、ここでも相当苦戦。1度歩行のコース選定を誤った私に至ってはここで初めて「前へも後ろへも進めない」状況にまで追い込まれました。さらにそれと同時に持病の足の攣りが発生、一番来てほしくない最悪のタイミングでのこれには、いよいよ死という事態が脳裏にちらつきました。それでも動けない足を休んでは動かしを繰り返しもがき、なんとか進みます。
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尾根上なだけあって美しい景色は楽しめますが、その余裕は正直ありません。
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這々の体で難所を突破、尾根をつたい歩き、脱出予定地に向かいます。
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尾根が細い…細い!
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あり得ないほど細い区間などを慎重に進んでいくと、踏み跡のある獣道が現れました。あと少しで脱出できるはず…
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出口だ!!!!!

続く
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